社会人として敬語の正しい使い方は欠かせませんが、知らないうちに間違った敬語を使ってしまっていることはありませんか?
よく耳にする「よろしかったでしょうか」という表現が、実は敬語として間違っていると指摘されることもありますが、一方でこれが正しいと主張する人もいます。
それでは、一体「よろしかったでしょうか」というフレーズは間違いなのでしょうか、それとも適切なのでしょうか?
「よろしかったでしょうか」の使用についての考察
一般的には、「よろしかったでしょうか」や「よろしかったですか」という表現は敬語としては不適切だとされています。
適切な表現は「よろしいですか」となります。これは、話の内容が過去に起きた事柄でない限り、過去形を用いるのは自然ではありません。また、このような表現を受けた側が不必要なプレッシャーを感じることもあります。
間違った敬語を使ってしまうと、丁寧な印象は与えられるかもしれませんが、それが適切な使い方ではないため、注意が必要です。
- 「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」→「ご注文は以上でよろしいでしょうか?」
- 「今お時間少々よろしかったでしょうか?」→「今お時間少々よろしいでしょうか?」
- 「カード払いでよろしかったでしょうか?」→「カード払いでよろしいでしょうか?」
「よろしかったでしょうか」正確な使用シーンと間違った用法
「よろしかったでしょうか」という表現は、適切な文脈で使う必要があります。
このフレーズは、過去の行動や確認が必要な事項に対して用いると適切です。
例えば、以前に会議の準備についての打ち合わせをした場合、「参加人数は10名でよろしかったでしょうか?」と尋ねるのは妥当です。これは、既に話し合われた内容の確認となるためです。
ただし、事前に共有されていない情報を過去形で尋ねると、相手に強制的な印象を与えかねず、不快感を抱かせることがあります。そのため、正しい状況を見極め、適切に表現を使い分けることが重要です。
マニュアル敬語とバイト敬語についての留意点
敬語は相手に敬意を表すための大切な手段ですが、間違った使い方をすると逆効果になることがあります。
特に、カジュアルな場面で使用されることの多い「バイト敬語」は、正式な敬語と異なります。従業員が敬語に慣れていないため、企業が容易に使えるようにマニュアル化して推奨することが原因で、「マニュアル敬語」とも呼ばれます。
- 「荷物のほう、お届けしました」→「荷物をお届けしました。」
- 「こちら、パスタになります。」→「こちら、パスタでございます。」
- 「2000円からお預かりします。」→「2000円をお預かりいたします。」
これらの言い換えにより、より正式で適切な敬語表現が反映されます。
敬語を正しく使うことは、相手に敬意を示すとともに、スムーズなコミュニケーションを促進するために非常に重要です。
まとめと敬語の正しい使用法
敬語は、日本語において非常に重要な要素です。
適切な文脈で「よろしかったでしょうか」という表現を用いれば問題はありませんが、場面に応じて正しい敬語を選択する必要があります。
適切な敬語の使用は、相手に敬意を表し、円滑なコミュニケーションを保つために必要です。