「〇〇をいただく」や「〇〇させていただく」といった敬語表現は、日常でよく使われますが、実は間違えやすいものです。
この記事では、これらの表現の正しい使い方について、具体的な例文を交えて詳しく説明していきます。
「いただく」という敬語の使い方と意味
「いただく」という言葉は、「もらう」をより謙虚に表現する敬語です。
例えば、「先輩からお土産としてフルーツをもらいました。」は、敬語で「フルーツをいただきました。」となります。
この表現は、相手に敬意を表すために使われます。
また、「〇〇させてもらいます」という自己中心的な表現を避け、「〇〇させていただきます」という表現に置き換えることが一般的ですが、場合によっては不適切な使い方となることもあります。
「いただく」の正確な用例と注意すべき点
「いただく」は物理的なものだけでなく、抽象的なものを受け取る際にも使われます。
例えば、以下の例文があります。
- 「高校時代の恩師から同窓会の後にお手紙をいただきました。」
- 「私の作品について高評価をいただきました。」
また、「お電話ありがとうございます。部長ですね。実は本日、お休みをいただいております。」という表現は、部長の休みが相手によって決められたものではないため不適切です。
より適切な表現は「部長は本日公休です。」や「部長は通常水曜日に休みを取っています。」となります。
「いただく」は日常会話で頻繁に使われるため、過度に使うと聞き手に混乱を招く可能性があります。
敬語を使いすぎると伝わりにくくなる例をご紹介します。
「昨日、ご提案をいただきました件につきまして、明日にはお返事をさせていただきます。」
この文の場合は、以下のようにシンプルに表現を変えることで、自然で明確な伝達が可能です。
「昨日、ご提案をいただいた件について、明日にはお返事をします。」
「いただく」の使い方とその類語について
「いただく」は謙譲語であり、「もらう」の類語です。
例えば、友人が「次に会う時に映画のチケットをくれる」と言う場合、敬語では「映画のチケットをくださる」と表現します。
この二つの表現には、それぞれ異なるニュアンスがあります。
「もらう」は受け手が主体の表現で、「くれる」は与える側が主体です。
たとえば、「ほぼ新品のテーブルをもらった」と「ほぼ新品のテーブルをくれた」では、その関係性が明確に示されます。
「テーブルをいただいた」と言うと受け手の謙虚さが、「テーブルをくださった」と言うと与え手の寛大さが強調されます。
「いただく」の使用まとめ
「いただく」は目上の人から何かを受け取る際に用いる謙譲語です。
適切な敬語の使用には、その場の立場や状況を考慮し、二重敬語の誤用を避ける必要があります。
「いただく」と同じく敬意を表す言葉に「くださる」がありますが、正しく使えばどちらも誤りではありません。
敬語の使用は広く取り上げられているものの、「いただく」を使う際には、その便利さや聞き心地の良さに気を取られすぎず、正確な用法に注意することが大切です。