敬語の誤用にご注意を!「~という形になります」の正しい使い方と代替表現【例文あり】

敬語の誤用にご注意を!「~という形になります」の正しい使い方と代替表現【例文あり】

「○○という形になります」

このフレーズを、ビジネスやお店での会話で耳にしたことはありませんか?説明を受ける際によく用いられる言い回しなのです。

実は「○○ということになります」と同じ意味で使われることが多いこの表現、誤った敬語として指摘されることがあります。

接客業やメディア、公的機関でも頻繁に使われますが、敬語としては不適切な場合があるのを知っていますか?

この記事では、「~という形になります」という表現がなぜ適切でないのか、そしてより適切な表現方法を例文と共に解説します。

目次

なぜ「~という形になります」を避けるべきか?

「~という形になります」というフレーズは、具体的な「形」が存在しない時に使われることが一般的です。

例えば「お客様が自分で準備されるという形になります」のような使い方ですが、実際には具体的な「形」はありません。

たまに適切な状況で使うこともありますが、大抵の場面では適切ではありません

この表現を用いる人々は、直接的な命令よりも間接的な表現を選び、礼儀正しく聞こえるよう意図することが多いです。しかし、このような表現は違和感を与えたり、冷たい印象を与えたりすることがあります。

また、「~という形になります」と言うことで、それがルールであるかのよう、または自分の意見ではなく決定された事実であるかのように話し、責任逃れや他人事のように聞こえてしまうことがあります

このため、よりストレートでシンプルな表現を選ぶほうが適切です。

「~という形になります」をより自然な表現に置き換える

電話や会議でよく使われる「~という形になります」というフレーズは、もっとシンプルで直接的な言い方に変えることで、適切な敬語を使うことができます。

この表現は通常、「~ということになる」や「~という状態になる」と同じ意味で用いられますが、よりシンプルに「~ということになります」や「~です」「~でございます」などの表現に置き換えることが可能です。

ここでは、様々な状況での置き換え例を挙げてみましょう。

例文
  • 「こちらが商品一覧という形になります。」→「こちらが商品一覧です。」
  • 「返品の際の送料はお客様にご負担いただくという形になります。」→「返品の際の送料はお客様のご負担となります。」
  • 「四月一日生まれの人は一つ上の学年で入学するという形になります。」→「四月一日生まれの人は一つ上の学年で入学します。」
  • 「まずは一週間お試しいただいてから購入を決めていただくという形になります。」→「まずは一週間お試しいただき、その後で購入をお願いします。」

「形」という単語を除外することで、言い回しがスッキリし、内容が明確になります。また、無駄な婉曲表現を省くことで、より自信を持って自分の言葉で話していると感じられるようになります。

日本語の婉曲表現は礼儀を示すものですが、過度に使うと逆効果になることもあります。相手に明確に伝えることを優先し、シンプルで直接的な表現を心がけるべきです。

「~という形になります」のより自然な代替表現は以下の通りです。

  • 「~です」
  • 「~ということになります」
  • 「~をお願いします」

これらの表現に置き換えることで、「形」という余計な要素を取り除き、伝えたい内容がより明確になります。

誤用されがちな敬語とその正しい使い方について

ビジネスシーンや接客業で頻繁に使われる敬語の中には、実は間違った使い方がされているものが少なくありません。「~という形になります」という表現もその一つです。

以下は、よく見られる敬語の誤用と、それに代わる正しい表現の例です。

例文
  • 誤用: 書類の方を → 正しい表現: 書類を
  • 誤用: お名前を頂戴できますか → 正しい表現: お名前を伺ってもよろしいですか
  • 誤用: ~でよろしかったでしょうか → 正しい表現: ~でよろしいですか
  • 誤用: どちらにいたしますか → 正しい表現: どちらになさいますか

これらの誤用は、若者が接客業で使用する「バイト敬語」と呼ばれることもあります。

しかし、実際には経験豊富なビジネスパーソンであっても、これらの誤用をしてしまうことがあります。日常の会話で習慣となってしまった表現には注意が必要です。

まとめ: 「~という形になっております」の使い方

この表現はビジネスの場で非常に使いやすく、ある程度客観的な状況を説明する際に「このような規則ですので、従ってください」と礼儀正しく伝えるのに便利です。

しかし、この表現が繰り返されると、受け手にとっては違和感が生じやすく、不快に感じることもあります。特に「形」という言葉を過度に使用すると、相手に冷たい印象を与えかねません。

婉曲な表現は敬意を示すために重要ですが、過剰になると本来の意図した効果を得られないことがあります。そのため、適切な敬語を使用し、明瞭で正確なコミュニケーションを心がけることが大切です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次